コレクション

『泰西輿地図説』

収蔵品

1789年(寛政元年)制作/サイズ:159×226×9mm(横×縦×厚み)

資料番号:74624~74629

『泰西輿地図説』は、福知山藩藩主・朽木昌綱がドイツ人ヨハン・ヒュブネル原著『古今地理学問答』の蘭語訳『ゼオガラヒ』を入手し、抄訳したものです。1789(寛政元)年に刊行されました。抄訳にあたり、元オランダ通詞の荒井庄十郎の助力を得ています。
本書は17巻6冊で、ヨーロッパの総論やポルトガルやフランスなどの国の地理や風土、由来などが述べられています。そのうちの一冊は図版集になっており、世界全図やパリなどの都市図、各国の紋章を扱い、木版で印刷されています。
序文を千社札の元祖ともいわれる、松江藩の藩士・萩野信敏が記しており、昌綱が本書の編集に際して所蔵していた洋書からも引用していたことがうかがわれます。
写真はパリの都市図のページです。本書が発行された1789年、パリでバスティーユ襲撃を契機にフランス革命の火蓋が切って落とされました。