コレクション

『東京パック』

収蔵品

1907年(明治40年)制作/サイズ:385×265×2mm(横×縦×厚み)

資料番号:58725

日本の近代漫画の祖といわれる北澤楽天が主筆となり、有楽社から明治38(1905)年4月15日に創刊されました。本誌は大判で、表紙のみならず、本文ページにも石版多色刷りを多用し、全ページに漫画を掲載し、人気となりました。『東京パック』が成功したことで、同じような大判漫画雑誌がたくさん創刊されました。第3巻24号では、巻頭に「東京パックと唯のパックとの別」と題し、次のように述べています。「同業の東京ハーピーが九月一日より単にパックと改題して発行すといふ(中略)抑々(そもそも)ハーピーは其初め我東京パックが社会の歓迎を受けて雑誌界に雄飛するや外観内容全く東京パックを模倣して刊行し大道に呼売(よびうり)を為し居たり(中略)遂に其名を単にパックと変更し客の東京パックを略称してパックを呉れと云ふを利用して胡魔化し売を逞しふせんとす(後略)」。次号からは表紙に「偽物あり東京パック、主筆北澤楽天、発行所有楽社等に御注目を乞ふ」と記し、読者に類似雑誌に注意するよう喚起しています。
『東京パック』はアメリカ、中国にも販路を広げており、記事には英語、中国語の翻訳までつけられていました。