コレクション

『ロンドン万博公式記録』

収蔵品

1851年制作/サイズ:190×267×55mm(横×縦×厚み)

資料番号:58903~58905

ヨーロッパ諸国を中心に、エジプト、ロシア、アメリカ、ブラジル、メキシコなど世界34カ国が出品参加した第1回ロンドン万国博覧会(以下、万博)は1851年に開催されています。大博覧会時代の幕開けです。入場者は600万人を超えました。なぜこれほど多くの来場者を得たのでしょう。当時、鉄道旅行が大衆化し、マスメディアが急速に発達してきたことが挙げられます。ヨーロッパ中で交通とコミュニケーションが刷新され、人々の意識が自国の外へ向かっていきました。
イギリスはこの大博覧会をまさに繁栄の象徴と捉えていたわけですが、近代国家にとって博覧会は文化的に非常に大きな意味を持っていました。当時イギリスに倣い、工業化の道を歩んでいたフランス、アメリカなどにとって、ロンドン万博の成功は大きな刺激となり、以降、ニューヨーク、パリ、ウィーンなど各地で万博が開かれていくことになります。
時代の先端をいく科学技術の粋を、一堂に会するばかりではありません。お国柄を紹介する展示は、来場者に世界を体感させる絶好の機会になっていきます。