コレクション

『國華』第1号

収蔵品

1889年(明治22年)制作/サイズ:266×386×3mm(横×縦×厚み)

資料番号:59609

明治22(1889)年に東京美術学校(今の東京藝術大学)の設立に関わった岡倉天心、九鬼隆一らによって創刊された美術雑誌です。第1号の巻頭には「夫レ美術ハ國ノ精華ナリ」とあり、これが誌名になったことがうかがいしれます。
明治初期の日本は、政府により極端な欧化政策が推し進められており、それに対し明治20年頃から、日本古来の文化や道徳などの長所を生かすべきとする国粋主義が台頭するようになりました。『國華』はそうした主義に基づき、日本の古美術を内外に紹介することを目的としていました。挿絵は木版多色刷りやコロタイプ印刷など、手のかかる印刷方法を用いており、実に美しいものです。創刊号は1円で、明治19年の教員の初任給が5円だった時代、相当高価な雑誌といえ、装丁も含め、雑誌というにはあまりにも高級です。現在も刊行が続いている長寿雑誌でもあります。