コレクション

〈第1回宣伝美術展〉

収蔵品

1951年制作/サイズ:518×733mm(横×縦)

資料番号:63256

ブルーグレーと黒の2色刷による文字だけの、この一見非常に地味なポスターは、しかしこの後20年間にわたり、日本のグラフィックデザイン界を牽引していくことになる、「日宣美展」の、記念すべき第1回目の展覧会告知ポスターです。
第二次世界大戦後、これからの新しい時代をグラフィックデザインの力で切り拓いていこう、という未来への希望のもと、日本初の全国組織によるグラフィックデザインの職能団体、「日本宣伝美術会(日宣美)」が1951年に設立されました。
「デザイナー」とはファッションデザイナーのことであり、グラフィックデザイナーは図案家などと呼ばれていた当時、彼らは結束することで自らの職能を世間に知らしめ、自らその立場を勝ち取っていきます。
毎年開催した展覧会は、第3回目からは公募部門が設けられ、以後、若手グラフィックデザイナーの登龍門となって行きます。
ポスターの下半分は、戦後初のデザイン全集である『商業デザイン全集』の広告です。現在では、こうした広告入りのポスターはほとんど見かけませんが、当時は展覧会や舞台、演劇、音楽会、スポーツなどといった催事の告知ポスターへの広告掲載は、ごく一般的に行われていました。