コレクション

杉浦非水『非水図按集 第一集』

収蔵品

1915年(大正4年)制作/サイズ:325×230mm(横×縦)

資料番号:63689

明治から昭和にかけて活躍した日本のグラフィックデザインの先駆者、杉浦非水は全部で7冊の図案集を刊行しており、本書はその最初のものです。たとうには50葉が収められ、187の図案が掲載されています。
非水は1897(明治30)年に東京美術学校(現 東京藝術大学)の日本画科に入学し、そこで出会った洋画家、黒田清輝の影響で図案家を志します。黒田の世話で1901(明治34)年、大阪の三和印刷所図案部主任となり、その後は教員や新聞社勤務を経て、1908(明治41)年に三越呉服店図案部に入社しました。1914(大正3)年には初めて三越のポスターに非水の作品が採用され、一躍その名が知られることになりました。
本書が刊行されたのは1915(大正4)年で、順風満帆な時期です。その刊行について巻頭で「自分の芸術路の一里塚」であり、「此集を以て藝術生涯乃第一期を終りたい」と記しています。非水にとって、区切りとなる時期だったことがうかがえます。