コレクション

大正十年度 卒業生製作品

収蔵品

1922年(大正11年)制作/サイズ:193×261×8mm(横×縦×厚み)

資料番号:70978

幕末頃から西洋の技術として導入された印刷は、明治後期には社会を支える重要な技術として定着し、広く普及しはじめました。すそ野がひろがり、従事者が増えてくると、印刷業界全体で技術を底上げし、また、後継を育てるために、教育機関設置が望まれるようになります。
東京府立工芸学校(現 東京都立工芸高等学校)は、大正7(1918)年に印刷科を新設しました。最初期の印刷教育機関の一つです。修業年限3年、定員20名で募集を開始し、印刷の専門教育を行いました。翌年には製版印刷科と改称しています。
一期生にはグラフィックデザイナーの原弘がおり、原は卒業後も母校に残り後輩たちへの教育にたずさわります。この『卒業生製作品』は原と同時代に在籍した二期生の卒業製作作品集です。印刷科は石版分科、活版分科とにわかれていたため、それぞれ専門性を反映した多色石版と活版(欧文)、活版(和文)の作品、さらに亜鉛凸版も含めた当時の主要な技術を用いてつくられた作品が所収されています。