コレクション

『大日本史』

収蔵品

1851年(嘉永4年)制作/サイズ:178×257×10mm(横×縦×厚み)

資料番号:74719

水戸藩第二代藩主の徳川光圀(1628~1700)が、多くの儒者を招いて編纂させた漢文の歴史書です。神武天皇から後小松天皇(在位1382~1412)までの時代を対象に、紀伝体で叙述されています。
当館所蔵の『大日本史』二百四十三巻(百冊)は木版で印刷され、内容は本紀と列伝に分かれます。本紀七十三巻(一~三十五冊)では、天皇の事績が紹介されています。その内の本紀第十九巻(八冊)には、神護景雲四(770)年に「天皇發願、造三層小塔一百萬、至是塔成、分置諸寺」と、称徳天皇の百万塔に関する記述が見られます。列伝百七十巻(三十六~百冊)では、后妃、皇子、皇女、貴族、武士、歌人などについての記述があり、中国や朝鮮について書かれた「外国列伝」も含まれます。
徳川光圀は明暦3(1657)年に修史事業を開始しました。古文書などの史料調査や古典の異本収集には時間がかかり、光圀は紀伝全体の完成を見ることなく世を去りました。
百冊が出版され、幕府と朝廷に献上されたのは、嘉永5(1852)年のことでした。編纂事業は明治維新後も水戸徳川家によって続けられ、明治39(1906)年に、本紀・列伝・志・表の四部と目録の合計四百二巻(二百三十一冊)が完成しました。