コレクション

Historie de l'Art du Japon

収蔵品

1900年(明治33年)制作/サイズ:171×261×10mm(横×縦×厚み)

資料番号:78008

パリ万博に出品された日本美術史本。一緒に出品された『真美大観』とともに金賞を受賞しました。図版は小川一眞がコロタイプで印刷しています。
1897(明治30)年に農商務省におかれたパリ万国博覧会臨時博覧会事務局は、1900(明治33)年に開催されるパリ万博にて、古美術品を展示すること、美術史書を刊行することを決めました。そこで日本美術史の編纂を帝国博物館(東京国立博物館の前身)に嘱託します。岡倉天心が編纂主任、執行弘道、福地復一が編纂副主任となり編纂が続けられ、パリのMaurice de Brunoff社から出版されました。発行部数は1000部で、200部余りを皇室、国内の重要人物、名家などに配布し、さらに数百部を学者、美術家などに配布しました。
本書は海外に日本の美術を紹介することが目的でした。そこで初めての公式の美術史として本書の和文原稿を活字化した『稿本日本帝国美術略史』が、1901(明治34)年に農商務省から刊行されました。フランス語版も日本語版も、コロタイプ印刷の版のもとになった写真には、小川が近畿宝物調査時に撮影したものが含まれています。