コレクション

アルベルトゥス・マグヌス『聖体の秘跡大全』

収蔵品

1474年制作/サイズ:225×312mm(横×縦)

資料番号:79425

カトリック教会の7つの秘跡(サクラメント)のうち、「聖体」に関して論じた西洋中世のラテン語著作の印刷本。秘跡の本質や意味を探求した最初の文献の一つで、パリやケルンで活躍したドミニコ会随一の学者アルベルトゥス・マグヌス(1206年頃~1280年)によって記されました。
ドイツのウルム最初の印刷者ヨハン・ツァイナーが手がけました。活動初期からマグヌスの書物を印刷し、本書は3タイトル目にあたります。
本書は美しいボーダー(縁飾り)とイニシャルの挿図が印象的です。19世紀英国でアーツ・アンド・クラフツ運動を展開したウィリアム・モリスは、ヨハンらの装飾ボーダーを称え、自らの印刷物の参考にしました。
かすれずに印刷をするため、当時は紙を濡らしていましたが、本書はところどころに水染みの跡や、濡らすために使用したと考えられるテキスタイルの跡が紙面に残っています。また、印刷機の圧盤に均等に力がかかるように、ページに一定行数以上の空白が生じる場合、空白を埋めて空印刷をしました。本書の目次ページの余白部分に14行分の空押しの跡が見られるのはそのためです。美しい印刷を実現するため、活版印刷黎明期からさまざまな工夫が施されたのです。